給食ブログ

本当の幸せ

2017年8月28日 16時52分

昨日のチャリティー番組で紹介されていた日本理化学工業 大山泰弘会長の話です。
この会社は知的障がい者雇用割合
7割を超えるチョーク製造会社です。

佐々木常夫さんの「これからのリーダーに贈る17の言葉」(WAVE出版)の記述から紹介させていただきます。

 

大山会長が最初に二人の障がいのある方を雇用した頃にある方の法要で禅寺を訪れた時、住職と話をする機会がありました。大山さんは住職に「うちの工場には知的障がいをもつ二人の少女が働いています。施設にいれば楽ができるのに、なぜ工場で働こうとするのでしょうか?」

これは、大山さんがずっと考えていた疑問だった。二人の少女は雨の日も風の日も、満員電車に乗って通勤してくる。そして、単調な仕事に全身全霊で打ち込む。どうしてもいう事を聞いてくれないときに、困り果てて「施設に帰すよ」と言うと、泣いて嫌がる。それが不思議でならなかったのだ。

ご住職はこう答えた。

「人間の幸せは、物やお金ではありません。

  人間の究極の幸せは次の4つです。

  人に愛されること、

  人にほめられること、

  人の役にたつこと、

  そして、人から必要とされること。

  愛されること以外の3つの幸せは、働くことによって得られます。

  障がいをもつ人たちが働こうとするのは、

  本当の幸せを求める人間の証なのです。」

 

大山さんは思わず言葉を失ったという。そしてこんなことを考えたそうだ。

確かに、人は働くことによって、人にほめられ、人の役に立ち、人から必要とされるからこそ、生きる喜びを感じることができる。働くことが当たり前である健常者は、この幸せを意識することはない。しかし、意識していなくても、その幸せは心をずっと満たしてくれているのだ。

 そして、この幸せは家や施設で保護されているだけでは感じることはできない。だからこそ、二人の少女はつらくても、しんどくても、必死になって働こうとするのだ。

 このことに気づいた瞬間、大山さんの心の中には、「なんとしても、彼女たちが握り締めている幸せを守らなければならない」という強い決意がわきあがったという。